今月の1冊(11)

今週で年末年始休暇に入る企業が多いようです。そこでこの休暇に向けての1冊をご紹介します。

このブログでの紹介は2回目となる柚月裕子氏が著書である「あしたの君へ」(文春文庫、2019年11月出版)です。前回紹介した同氏の著作の主人公佐方検事が活躍したのは刑事法廷でしたが、今回の主人公である新人家庭裁判所調査官補が働くのは家庭裁判所。主人公は本書の中で2件の少年事件、2件の離婚問題に取り組み、悩みながらも少年加害者や離婚申立者に寄り添い真の事情を明かしていきます。

家庭裁判所というと調停委員が思い浮かびますが、いかに経験豊かな調停委員とはいえ面談のみですべての問題解決ができるものではありません。その背景や事実を裏付ける調査をし、調停や裁判に生かすことの重要性に気づかされます。この役割を担うのが家庭裁判所調査官であり、本書では新人調査官補の調査官への成長を描きます。

また、本書で取り扱う事案は特異な案件であるようで、また、そんなに特異ではないのかとも思わずにはいられない点もあり、さらに離婚問題を抱える主人公の同級生に家庭裁判所調査官への信頼を語らせる1話をいれることにより本書の読み応えに厚みを増しています。

今年の年末年始休暇が9連休となる方も少なくないようです。本書がリラックスと充電のできる休暇の一助となれば幸いです。

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