今月の1冊(16)

新年に入っても新型コロナウィルス拡大が収まらず、更に亜種感染もあり、厳しい幕開けです。また、頂いた年賀状には私と同世代のリタイアの話題がチラホラ。そこで今回は私を含め疲れた中高年男性に的を絞った1冊として『今はちょっと、ついてないだけ』(伊吹有喜著、光文社文庫、2018年11月初版発行)をご紹介します。

本書では若き日にまぶしく輝いた現在は失意中にある不器用な中年男性を中心に、同世代の時代に取り残された男女との穏やかな友情によるそれぞれの再生がショートストーリー構成で描かれています。主人公は自らの若き日の輝きを周りによって演出されたものとの苦い思いを拭えず、ましてやそれを生かして再生することになかなか正面から向かい合えません。このじれったい気持ちを友人たちとの交流が癒していきます。

こんな優しい視線の話を疲れた心を軽くするのに如何でしょうか?なお、ただ1話だけちょっとトーンの違う再生が描かれていますが、この1話に違和感があればこの部分を読み飛ばしても全体の感じは変わりません。今回は対象者を限定しましたが、お勧めします。

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