コンサルとしての一言(10)

まず、恒例の今回の写真は「雲の上に顔を出した富士山」です。9月7日に初冠雪という報道があったようですが、その後の平均気温が高く雪は見えませんでした。

さて、緊急事態宣言が解除され「テレワーク」か「出社」の2択的議論を新聞などでも見ますが、私は勤務場所にこだわるのではなく、コミュニケーションの目的の違いによる使い分けの問題ではないかと思います。ということで、今回は世の中の流れに逆行するような話題、『直接面談の勧め』です。

まず、テレワークの定義を『情報通信技術(ICT=Information and communication Technology)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方』とします。自己完結的に自宅でできる業務を行うのにわざわざ出勤しなくても良いでしょう。しかし、組織の中で上司の指導を受けたい、逆に部下にアドバイスをしたいという場合や取引先から未確定な情報を得ようとすると、いわゆる『直接面談』が必要な気がしませんか?

ちなみに情報の活用とは『質の高い情報(=相手の本音やまだ気づいていない意識)の入手』、『入手した情報の適切な分析・活用方法の決定』、『情報の商品化と発信』の3つの行為と考えています。もし、取得・発信しようとする情報が定型化しており、または計数的・客観的に固定化されている場合には、人の介在さえ不要かと思います。他方、定型化・規格化されていない情報はどうでしょう。このような情報取得の難しさの根底には、人は本音を語ってくれないという認識があります。両者の関係が唯一無二であり、他に選択肢がなければ双方は正直に情報を伝える可能性が高いと思いますが、ビジネスの世界では互いにほかの選択肢(相手)を持っている競争社会です。そうなると、相手から自らが相対的に良い選択であるという高い信頼感を獲得し、かつ本音を話してもらうスキル、すなわちTPOや話術が必要になります。しかし、このスキルを活用するには相手の言葉だけではなく全身から醸し出される雰囲気を判断する必要があります。雰囲気とは『全身の動き』『発せられる熱意』『変化する顔色』『ふと伝わる匂い』であり、その空間そのものかとも思います。この空間の見えない景色を読み込み、その空間に最も適した形で情報を尋ね、また自らの情報を伝えることが真の情報獲得・発信ではないでしょうか。という視点で見ると直接面談は『一期一会』。直接面談も良いものですね。

過日、人間国宝の柳家小三治さんが逝去されました。落語は噺家とファンが寄席という直接面談の場所で行う真剣勝負。寄席のない空間での噺には匂いがない。ご冥福をお祈りします。

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