
本日は2025年12月29日、当社の今年最終営業日。私にとってこの1年はコンサルとして能力アップを図るべく、「学びと調べる」の1年だったような気がしますが、ブログをお読みいただいている皆様にとっては如何でしたでしょうか?
さて、今月の1冊はこの1年の締めくくりらしく気持ちがほっと温かくなる図書を探してみました。そうすると「下町の人情」、「江戸時代」がキーワードということで、半年前にも取り上げた山本一力氏の著作から『たすけ鍼』(山本一力、朝日文庫、2010年10月出版)をお勧めすることにしました。この図書には続編『たすけ鍼 立夏の水菓子』(朝日文庫、2019年12月出版)もあるので、出版時期に比して入手は容易かと思います。なお、文庫化はされていなようですが続々篇『たすけ鍼 天神参り』もあります。
さて、本書の対象となる時代は江戸天保時代初期。今から約190年前。飢饉などから米価や物価が上がり、社会不安が増した時代。もう少し先では江戸幕府財政再建を目指した水野忠邦による天保の改革が行われます。この時代における医師といえば、漢方医と針灸医。本書の主人公は山本氏らしく、この厳しい世相の中で貧富に関わらず心意気と医術で庶民に寄り添う鍼灸医師染谷。染谷の心意気と技量に惹かれた大店のご主人や大大名の要人も登場し、彼に負けまいと男意気を示す話が満載です。読んでいて、鼻先がツーンと来て、やはりお金より人情が良いなあと実感できます。そして、この1年も良かったなあと思っていただき、周りの人にほんの少し優しくしていただくと2026年は良い年初めになるのでと思いますが、如何でしょう。
では皆様、本年はありがとうございました。来年も良いお年をお迎えください。
以上
