またまたブログ更新に間隔が空いてしまいました。前回更新が6月でしたので3ヶ月経過。ウクライナの戦闘もコロナも解決していませんが、世の中は確実に変わっていると実感します。今朝読んだ新聞にでていたホンダ社長の「変えるより変えないでいる方がずっと怖い」との言葉に、思わず納得でした。
さて、今回の「今月の1冊」は「戦士の遺書 太平洋戦争に散った勇者のたちの叫び」(半藤一利著、文藝春秋社、2022年8月発行)です。著者の半藤氏は2度映画化された「日本のいちばん長い日」の著者であり、戦史研究家でもあります。
本書は7~9ページの短編25編26名、中編2編2名の陸海軍司令官等の当人の戦争に対する考え方と遺書で構成されています。気づくのは戦闘の最前線にあったほとんどの将官が無謀な戦いを望んでおらず、また、部下の生存を心から望んでいます。しかし、敗戦末期には狂気の特攻を行い、意味のない一億玉砕が声高に叫ばれていました。彼ら一人一人の信条と集団となったときのパワーの違いに驚きます。
現在もこの地球上で戦争・戦闘が行われています。戦闘がどこか遠いところで行われていることと思わずに、身近に感じる契機にともなればと本書をお勧めします。
なお、全編で28名の方の話があるので、ご存知の人や関心のあるテーマ部分のみを読んでいただいても、また、読んでみて興味ある人が出てきたら、その人についての図書を読んでみても面白いかと思います。この視点では阿川弘之氏の「米内光正」「山本五十六」「井上成美」などもお勧めです。