コンサルとしての一言(9)

今回の写真は福井県が誇るB級グルメの定番『ソースかつ丼』、私の好物の1つです。私の説明で食べ物の美味しさを伝えることはおぼつかないので、今回は説明抜きです。なお、個人的には福井駅東口から徒歩5分程度にあるソースかつ丼の老舗がお勧めです。

さて、コロナ感染者数はやっと減少傾向に転じたようですが、依然感染者数は高水準で厳しい環境が続きます。
このような時の事業戦略見直しについて少し述べてみたいと思います。

簡単に言えば、こだわりをとことん捨てることにつきます。経営者には少なからずこだわりがありますが、このこだわりは多ければ多いほど経営判断の選択肢を狭め、事前調整などで実行が遅くなります。そこで、事業見直しなどのコンサルティング現場では、まず経営者の方にこだわりに優先順位をつけてもらいます。そのうえで「上位3つ以外を捨てることはできませんか?」と問いかけます。3つならと思われるかもしれませんが、「企業の存続」「事業目的の維持(経営者としての夢)」など当然に思えることも含まれ、さらに「従業員の生活」「取引先からの信頼」「家族の生活」「社会貢献」などなど選択肢は少なくありません。でも、いざという時にこれができないと、経営は迷走し貴重な時間を無駄遣いすることになります。また、こだわりを徹底的に純化する作業も必要です。例えば「企業の存続」には「たとえ数人になっても良い」という理解を含みます。従って、事業の売却や従業員のリストラを容認することになります。

以上、経営者の皆さんには常日頃からこだわりの内容を徹底的に純化し「己のこだわりの本質を見極めておくこと」と「優先順位を付けておくこと」をお勧めします。経営はこだわりがなければ意味がないのですが、こだわりすぎれば身動きはできなくなります。厳しい事業環境ではこだわりは贅沢品であり、意思決定を先延ばしする甘えにつながります。コロナ下、不自由な事業環境が続きます。この機会にこだわりを少し整理することをお勧めします。