新入社員の離職問題(2)

今回の写真はどこだと思いますか?これは新宿御苑。広さ58.3ヘクタール、周囲3.5Kmという大公園です。入場料は大人で200円と格安。桜の季節を除けばそれほど人混みでもなく、休日に近場の緑豊かな公園でのんびりするにはお勧めです。

さて、今回は先月に引き続き新入社員の離職問題。前回は新入社員研修について書きましたが、今回は上司の新入・若手社員との向かい合い方について書いてみたいと思います。

私が勤務していた頃の銀行業界では「銀行員は月曜日風邪ひかない!」など体育会的精神論が蔓延し、今でも我々以上の世代には「全力で行く」「頑張る」などを良しとするような感性を持っている経営者も少なくないのではないでしょうか。このような企業では「質実剛健」とばかりに若手社員に「強さ」「頑張り」を求める傾向が強く、この「頑張る」「やる気」を強調する文化・経営スタイルが新入・若手社員に焦り・圧迫感を与え、離職の原因になっていくと考えています。頑張るのは本人であり、やる気も内面から生まれるものであり、外から強要しても生まれにくいと思います。

私は新入・若手社員にはできるだけ「楽しんでいる?」「興味が出てきたことはあった?」と問いかけるようにしています。本人が楽しむ⇒興味が生まれる⇒自らチャレンジを始める⇒成長するというプロセスを支援する向かい合い方が今の若手社員には良いようです。もちろんビジネスは甘いものではなく、楽しんでいるだけでお金が稼げるはずもありません。新入・若手社員も「頑張る!」ことの重要性を十分に理解しています。だからこそ「頑張れ」を封印し、少し遠回りのことばを発しています。大切なことは若手従業員も我々の世代と同様「頑張ること」の重要性を理解していると信じてあげることだと思います。

最近の若い社員も昔の若い社員も根底はあまり変わっていないが、その表現・見せ方が変わってきていると理解し、彼らの表現を否定し、自分たちの言葉を強要しないことが大切だと思います。新入・若手社員には「強い」より「しなやかに」であって欲しいと思います。彼らは情報が一気に広がってしまうネット社会、もしくは「いじめ社会」とともに成長してきました。

この中で彼らは自らを防衛する手段として「ゆるめ」「目立たない」「本気さを見せない」個性として自らを表現しているのだと感じます。オリンピック選手が「楽しんできます」と言ったりしますが、オリンピック選手になるための努力は並大抵ではなかったでしょう。でも、発言としては軽く感じることばを使います。同じようにわが社でも数年を経た社員を見ていると、彼らの発言とは裏腹に私たちのその時期よりしっかりしていると感じます。離職を防ぐ最良の方法は彼らを信じて少し待つことかと思いますので、説教じみた話をする前にじっと見てあげ、「なかなか良いんじゃない」と声を掛けてあげては如何でしょうか。