海外で地元の人と働く(3)

アップしている写真は私が別に経営を引き受けている企業の工場に行くために10月9日渡った明石海峡大橋です。全長約4キロ立派な橋ですね。

さて、今回は地元のスタッフと方々とのコミュニケーションの話を少々。相手はアジアの方々なので欧米の場合は事情が違うかもしれませんのでご承知ください。

コミュケーションのカギは何といっても食事を一緒にすることでしょう。香港駐在時に「ビジネスの打ち合わせは不快なこと、辛いこと、厳しいものだから、それを中和するためにも美味しい食事をしながらやるものだ。」と大手財閥の副社長に言われたことがあります。この言葉にもあるように特に中国系・華僑の人は食事を共にすることを大事にしています。

このような言葉もあって、私はしばしば現地のスタッフの方々を食事に誘っていました。その場合に注意していたのがお店とメニュの選択。当然のことながらアジアで上司が部下の皆さんを食事に誘ったら、上司がすべてを払います。また、かれらもこの前提で参加します。どんな少額であっても絶対に彼らに費用負担を求めてはいけません。

ここで良く勘違いするのが「皆さんの行きたい店、好きな食べ物で良いよ」と誘うことが思いやりのあるように考えることです。これは初めの頃は彼らを困らせます。上司の好み、予算などを推測しなればならないからです。私は、例えば「潮州料理が好きだ」と希望を伝え、お店でメニュを選ぶときには「xxとyyを入れてね」と数品だけ自らの好みを言います。また、中華の場合は食材により値段が大きく変わります。そこで「今日は蟹を食べよう!」というように高めの食材を入れて良いことを伝えます。その上で「その他は皆さんの好きなものを選んで!」といいます。こうすると彼らは上司の好みを気にせず、かつ予算にイメージを持ちながらその範囲で自由にメニュを選べます。結果、しばしば私にはまったく無理な食材や料理が出てきて困惑しますが、「私はxxとyyを食べたかったから気にしないよ」といえば大丈夫です。

繰り返しとなりますが「好きなものを頼んだら良いね」と言わないように。食事会を使ってコミュニケーションを良くしたいと思うなら、「私は既に満足だからそれ以外は皆さんの自由で良いよ」という形作りが大切です。また、本当は自分に好きな料理は無くても良いのです。参加者が「上司はxxが好きだ」思っていてくれれば十分。真剣に「私は何が好きなんだろう?」と考える必要もありません。

結果、日ごろの仕事もスムーズに進むことは勿論、社内の地元スタッフの人間関係なのどの情報もわかってきます。