コンサルとしての一言(3)

世の中、コロナウィルス一色。GWが近くても外出を控えて、自宅で我慢の日々ですね。そのような中、忘れ去られがちな熊本震災(2016年4月14日)から4年が経過。この震災のことも思い出して頂きたく、今回は地震で傷付く前の熊本城の雄姿を写真として選びました。

さて、本題。

コロナウィルスへの対応として政府の緊急事態宣言が出され、三密の回避は勿論、接触・出勤の制限、業種によっては事業活動の自粛も求められています。さて、このような事業環境下で経営者は何をなすべきか。私が経営を担っている会社および関与している会社で行っていることも踏まえながら述べてみたいと思います。

ポイントは「長年の懸案を解決し、しがらみから離脱できる絶好のチャンスであり、他方、取引先のこのような動きによるリスク回避に全力を挙げるとき」という認識を持って、今アクションを起こすことが大切です。

1.事業パートナーや取引先との関係見直し

①.現在ほとんどの企業が存続の危機に瀕しつつあると言えます。このタイミングであれば今までの関係解消をも視野入れた関係見直しの交渉を持ち出すのに理由説明は不要であり、再度WinWinの関係を構築する絶好のチャンスです。ゼロベースで最良の形を真摯に協議していただきたいと思います。

②.他方、今後さらに良好な関係を構築したい先には共同事業化案など事業効率を上げるための提案が有効です。

2.新規案件、美味しい案件には要注意

①.このタイミング下、取り込み詐欺まがいの案件や過去の粉飾決算を塗(まぶ)したような倒産の増加が予想されます。

②.自社に持ち込まれ経緯が不自然な新規案件や、今までに比べ金額が急増している既存先案件はまず要注意です。

③.新規先には商業登記の最近の変更状況、本社が自社保有であれば本社の不動産登記内容および代表者の自宅不動産の登記内容の変更状況を確認し、直近での不自然な変更・担保設定が行われていないかをチェックしてください。

④.美味しい案件にはなぜ自社に持ち込まれたかの理由を再確認。また、そんな美味しい話が現実的かを裏付ける事実の確認をしてください。

⑤.既存取引先の場合には信用度の再確認を行いましょう。前述の③登記の確認に加えて、興信所等から決算書が入手できるなら決算書に不自然なところがないかを確認願います。決算書を見るときのコツは儲かっているかどうかではなく、不自然さがあるかどうかです。具体的に言えば不必要に借入金が多いように見える、借入金額と支払金利を比べると金利水準が高い、事業が拡大しているのに経費が減少傾向にあるなど、自社の決算書を参考に考えてみればよいと思います。具体的な粉飾要素を見つけるには専門的知識も必要ですが、粉飾かどうかを見つけるには常識感があればできますし、これが最も大切です。

コロナウィルスで事業環境は一変。しかし、チャンスでもあります。今までできなかったことを実現できるときでもあります。しっかり考えて前に出ましょう!