今月の1冊(6)

今回のブログは平成最後となりそうなので、私の最も好きな歴史上の偉人(異人でもある)、織田信長に関する図書を取り上げます。木下昌輝著の「炯眼に候(けいがんにそうろう)」(2019年2月15日出版、文藝春秋)です。

本書の内容は織田信長にまつわる7つの不思議な逸話に合理的な解説を小説として表現したものです。7つの逸話の中には、圧倒的兵力不足にもかかわらず今川軍の本陣を強襲し今川義元を打ち取った桶狭間の戦いをテーマにした「軍師」、毛利水軍との戦いで使ったとされる鉄甲船をテーマにした「鉄船」、本能寺の変で見つからなかった織田信長の主首の謎にせまる「首級」などを含まれます。本書のように謎めいていた逸話を、実際の根拠の有無は別として、極めて合理的な戦術と説明されると、今更ながらに織田信長という人物が大変興味深く思えてきます。

総ページ数は331、7つのテーマに分かれているので1テーマ辺りでは50ページ前後、テーマとなっている史実はネットでも容易に知ることができるものがほとんどであり、史実を確認したうえで読んでみるとより一層面白くなります。

今年の大型GWの過ごし方の一つに本書を読んでみることをお勧めします。

以上